アップルは日本を含む100カ国以上で「Apple TV」アプリの配布を開始した。iPhone、iPad、Apple TV、そしてサムスン製のスマートTVの2019年モデルと2018年モデルの一部で利用できる。
プレスリリースによると、米国であれば、HBO、Starz、SHOWTIME、Smithsonian Channel、EPIX、Tastemadeなどの人気のあるチャンネルが視聴できるほか、MTV Hitsなどの新サービスも含まれるそうだ。また「さらに多くの専門チャンネルが世界中で追加されていく予定です」とも記載されている。
早速、日本版をダウンロードしてみたが、結論を先に言うといまのところ日本ではAmazon Primeなどに勝てる要素はほとんどない。独自制作のコンテンツを多数揃え、年会費を払えばいつでも見られるAmazon Primeと比べるのは少々酷な話だが。もちろんこれは今秋に向けての先行リリースで、スティーブン・スピルバーグ監督やJ・J・エイブラムス監督が制作する「Apple TV+」用の独自の映像コンテンツが登場すれば少し風向きは変わるかもしれない。

現状では、「iTunes Store」アプリの「映画」タブのUI

別途契約が必要だが、映像コンテンツを横断的に検索できるのは便利
一方で少しややこしいのだが、ハードウェアのApple TV上で利用できるソフトウェアのApple TVアプリでは、私の環境ではこの横断検索が使えなかった。LGなどのスマートTVではYouTubeなども含めて映像コンテンツを串刺し検索してくれるので、ハードウェアのApple TV用の、ソフトウェアのApple TVにこそ対応してほしいところだ。
映像の権利関係や日米でテレビ局の方針も異なるので、米国と同じコンテンツやサービスを日本で視聴や利用ができるという期待は捨てたほうがいいが、Apple IDを使ったなんらかのサブスクリプションプランを用意しない限り、先行してサービスを提供しているAmazon PrimeやNetflixに対抗するには険しい道が待っているだろう。
アップルとしても、まずは北米で存在感を高めてから日本を含む各国への展開を考えると思われるので、当面は静観するしかない。